オペアンプ交換のよくある質問 本文へジャンプ

オペアンプを交換してグレードアップしたい、音の違いをたしかめてみたい、という方が増えています。その時迷ううのが このオペアンプでいいのだろうか? 大切な機器が壊れないだろうか? 発振する?などです。 今までにたくさんの方と交流してきてみなさん共通の疑問をお持ちなのでここにまとめてみました。  交換は読者の皆様の責任においてお願いいたします。

オペアンプ交換の時のよくある質問

Q1. 1回路入りと2回路入りはどうちがうのですか?


A1. 1回路入りは8ピンのパッケージにオペアンプが1個、2回路入りは2個入っています。
   ピンのアサインが違いますので全く互換性はありません。
   しかし2回路入りどうしはおなじPIN配列です。1回路りどうしは信号や電源PINは同じで
   すがDCオフセット調整や位相補償PINが違う場合があります。
   またおなじオペアンプで1回路入りと2回路入りの両方の機種があります。
   型番で区別できます、下記はその例です
 
    1回路入り  OPA604  ----> 2回路入り  OPA2604 (2が付いている)
             OPA134  ---->         OPA2134 (2が付いている)
             NE5534  ---->         NE5532  (4から2にかわっている)
            OPA627  ---->         ありません

            
            1回路入り                 2回路入り


Q2. FET入力とバイポーラトランジスタ入力の違いはなんですか?

A2. FET入力はINPUT段がFETで構成されており、入力インピーダンスが高い、入力バイアス   電流がない(そのかわりにゲート漏電流があります)、信号の立ち上がりが早いなどの
   特長があります。バイポーラトランジスタの場合はノイズが少ないなどの特長があります
   しかしオーディオ用途においては難しいことはぬきにしてどちらでも差し替えができる場
   合が多いので音質の違いをお楽しみください。
   オーディオの場合は入ってくる信号やつながる機器がある程度初めからわかっている
   し信号レベルもACで数ミリVから2-3VまでですのでどちらでもOKであると思います。
   
   オーディオ以外の用途、たとえば、測定器、発振器、通信機器、電源機器などで
   はFETとバイポーラトランジスタの差し替えは問題があることが多いです。
    

Q3.どっちの方向に向けて差し替えるのでしょうか?

A3. オペアンプは8PINですので1PINのマークを探してください。 丸いマークがあります。
   あるいは片側に小さい凹みがありますのでそこを左にして左下が1PINです。そこから
   反時計回りに1,2,3,4,5,6,7,8となっています。

           
        1PINの丸マーク           左にくぼみあり    


Q4. パッケージの違いにより音はかわるのでしょうか?

A4. パッケージには3種類あります

    1.普通のデュアルインライン (DIP)     
    2.小型のスモールアウトライン(SOP)
    3.金属のメタルCAN

  これらは中に入っているチップは同じものですがテストや信頼性の試験が違います。
  使用温度範囲も違うことがあります。 オーディオではデュアルインラインが主流ですが
  小型携帯機器ではSOPです。 SOPでも変換基板に取り付けてDIPにかえればそのまま
  差し替えができます。 メタルCANは高信頼性、高性能型に多いです。金属でがっちり
  と封止されているので温度変化や湿気に強いです。プラスチックの樹脂で中のチップが
  圧迫されていないので音ものびのびとした感じが出るように思います(私見)
  メタルCANもそのままDIPと差し替えができます。ただしPINのマーク8PINにありますの
  で注意してください。 PINの並びの順番はすべて同じです。
              
           SOP            メタルCAN


Q5. むやみに交換すると発振するということをききますが発振とはなんですか?

A5. 発振とは字のとおりで、何も信号入れないのに出力から信号が出ることです。
   ピーとかギャーとか、ブツブツとかのノイズが聞こえます。そしてオペアンプが異常に熱
   くなっている場合が多いです。こうなりますとすぐに電源を切ってください。そのままにし
   ておきますといずれは本体の電源が壊れるでしょう。
   こういった症状が無く、またオペアンプも少し暖かいくらいでしたら問題はありません。


Q6. 発振しないようにするにはどうしたらよいでしょうか?

A6. ユニティゲイン(0dBの増幅率)いわゆるボルテージフォロワーでも使えるオペアンプを
   使うことです。 また600Ω負荷でのスペックを記述しているものがよいです。

    2回路入りでは NME5532, NJM2114, OPA2134, OPA2604などです
    1回路入りは  NE5534, OPA134, OPA604, OPA627 などです
  
    ここにのっているオペアンプはおおむね問題が少ないです OPAMP比較

    
Q7.発振を止めるにはどうしたらよいでしょうか?
 
A7. 発振を止めるには位相補償のコンデンサを調整するか、電源回路にパスコンを入れるか
   あるいは入力PINに1kオームの抵抗をいれるか、あるいは出力に47-100オ-ムの抵
   抗を入れるかをします。 これは発振の症状によって対策が違いますので専門書をお読
   みください。 お勧めは”OPアンプ回路の設計” CQ出版社
   ちょっと難しいですが、いろいろな本を読んで結局これに戻りました。


Q8. 古い機器のオペアンプを最新のオペアンプに交換しても問題はありませんか?

A8. 古いというのはだいたい1970年から1980年初頭までですが、この年代の機器には
   位相補償コンデンサが外付けのオペアンプを使っている可能性があります。これを別
   のオペアンプに交換しますと問題がある場合があります。  
   古いオペアンプで注意が必要なものはLM301, MC1439などの1回路入りのものです
   RC4558以降で2回路入りは位相補償はすべて内部ですので問題は少ないです。
   しかし、最新のオペアンプはAC特性がいいので元の機器の設計が古いとやはり発
   振の危険性はあります。 いろいろ試してみるしかありませんが、うまくいきますと素晴
   らしい音に変身します。 もうメーカの修理期間も過ぎていますので試してみる価値は十
   分あります。


Q9.ビンテージ物のオペアンプはどうでしょうか?

A9.オペアンプにもようやくビンテージというものが出るようになりました。技術の発展は早
  いですが電子部品にも昔のものでいいものがあるようです。 真空管しかり、コンデンサし
  かりです。 昔のアナログ半導体はプロセスが大きくメタルの配線も太いので、特に電
  子楽器やギターエフェクターの分野で重宝されています。 特にオリジナエルメーカの
  物がいいようです。いまは吸収合併されてなくなったメーカが多いです。
  レイセオン社のRC4558、シグネティックス社のNE5532, プレシジョンマイクロ社
  のOP27、フェアチャイルド社のuA741、TI社のTL072、TL082、ナショナルセミコンダク
  タ社のLF356、LF357などがオーディオではビンテージにそろそろなってくるでしょう。
  特にTI社は1980年代のMADE IN JAPANの刻印があるものがいいようです。スペック
  は現代の最新オペアンプに比べると劣りますが、音はなかなかのものです。
  

Q10. 偽物のオペアンプがあるとききましたが?

A10.私は昔偽物のICを見たことはあります。 値段が高いとか入手が困難のものに
    偽物がありました。 よく見ますと外観が悪い、型番の捺印が汚い、曲がっている、
    足のリードの半田メッキ処理が汚いなどですぐわかります。御心配の時は製造年月
    日を見てください、また裏の製造国の刻印を見てください。 他の同じ型番のオペアン
    プと明らかに違うはずです。 最近ここ5-6年はみていません。


Q11.オペアンプをプリント基板からきれいにはずすにはどうしたらよいでしょうか?

A11. これは近いうちに私のホームページのコーナーで紹介いたします。
   おすすめは半田吸い取り器です。 青いプラスティック製の大きいものがいいです。
       


Q12.データシートのスペックの見方を教えてください

A12. これも近いうちにコーナーを作って紹介いたします。


以上

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