オーディオ用OPAMPの音質比較


"音松のオペアンプ道 WiseTech社のホームページで連載中 http://www.wisetech.co.jp/opampdou/

             
  
OPAMPの販売は秋葉原三栄電波に移管しました http://www.san-ei-denpa.com/
  価格、納期は三栄電波にお問い合わせください  03-3253-1525   sales@san-ei-denpa.com

   
  
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各社オーディオ用OPAMPの音質の比較です。個人的な主観であることをご了承ください。
なお、この比較は私が作成したPREーAMPを使っています。入力部はゲイン4倍の反転増幅器で後段はボルテージフォロワーの2段構成です、電源電圧は±15V。
2回路入り 一般的で汎用性があってコストパフォーマンスがよい)
OPA2604 (バーブラウン)
 
オールFETはこれだけ
OPA2134 (バーブラウン

オーディオの定番を目指して
LME49860(ナショナルセミコンダクタ)

星あらわる、優等生
高級OP-AMPの定番、FETオペアンプは入力部だけがFETですがこれは出力部までの全信号系の内部回路をすべてFETで構成。電源電圧範囲±24Vとクラス最大でダイナミックレンジをひろくとれます。歪率は0.0003%、ノイズは11nV/Hzとスペックは中庸ですが音質においては他と一線を分けます。DACのローパスフィルター、プリAMPのバッファ部,ヘッドフォンAMPに使うと音に厚みが増し濃厚ですがすっきりとした味わいですこれが好きな人にはこれしかないといわせています。
1個 700円
OPA2604よりは新しく、スペックが優れていますがローコストです。音は硬質でメリハリが出てモニター的な味わいとなります。入力部のみFETを使用。RIAAイコライザ、プリAMPにお勧め。プロ用音響機器、電子楽器、パワーAMPの前段でも真価を発揮するでしょう。 1個 400円 2007年に発表された新しいOP-AMP。スペックは歪率0.00003%、ノイズ2.7nV/Hzと他に比べて一桁抜きんでています。この違いはOPAMPだけでなく周りの回路、抵抗、コンデンサ、DACや電源などもワングレード高くないと聴ききわけられないでしょう。プロオーディオやハイゲインAMPで十分な性能を引き出せるとNS社は宣伝しています。音は見通しがよくフレッシュであり、非の付けどころのない模範的な音である。すべてバイポーラトランジスタで構成。
1個 550円


OP275 (アナログデバイセス)

実力派
NE5532A (テキサスインスツルメンツ)

ベテランいまだ健在
NJM2114 (新日本無線JRC)

国産愛好家におくる
 BB,NS,ADI3強の一角を占めています。歪率、ノイズともLME49760にひけをとりません。アプリケーションの例などがデータシートに少ないのでメーカーとしてのこだわりが伝わってきませんが、基本を押さえた音はやはり素晴らしいです。真空管アンプのプリにハイブリッドで使ってみたいです。雑誌「無線と実験」ではRIAA-EQの製作例があります。
1個 450円
 BB社を傘下に収め新しいOP-AMPはもっぱらBBに任せているようですが昔の型番では健在です。これは発表されてから20年たちますが中級機ではいまだ多く採用されており安心してつかえる定番中の定番でしょう。某日本の音響メーカのホームシアター用マルチCHパワーアンプは1台に50個使っている例があります。ヘッドフォンAMP部にも採用例が多いようです。当時としては最高の低ノイズであり今でも十分戦えるスペックですが歪率はデータシートには規定されていません。音は清涼感がありパワフルで、ときには癖のある場合もありますが嫌みはありません。Aバージョンはノイズ選別品です。
1個 230円
 唯一の国産メーカ、ローコスト品に強いが新製品も意欲的に出しています。NE5532の置き換えを狙って改良されました。スペックは中庸ですが価格が安いため国産メーカではローエンドから中級機種でこれを最も多く使っています。音はすなおで明瞭、ほっとする感じがあります。10年くらいの前のCDプレーヤは各社これを多く採用していました。1個 200円


    To be informed
LT1364 (リニアテクノロジー)

高速2000V/u秒は他の追従をゆるさない
AD8397A (アナログデバイセス)

力持ち、しかも3Vから24Vまで

LT1364はリニアテクノロジー社の2回路入り、高速、高ドライブ型のOPAMPです。
信号の入力に対して素早く反応するスルーレートが、1000V/u秒というOPA2134やLME49860などに比べて約50倍の性能です。それでありながら消費電流は同じレベルを達成しています。
また普通は600Ω負荷に対してしか性能を規定していませんが、これは150Ω負荷でも十分なドライブ能力を保証しています。重たい負荷にも十分こたえられる性能です。他とも互換性がありますので、ハイスピードな音質をお試しください。

注意:ある条件で発振するとの報告を受けました。調べますとフェードバック抵抗が5K以上のときは位相補正用のCをパラレルにつける必要があるとDATAシートに書いてあります。これくらいの高速AMPは御機嫌を取るのが難しいようです。それでもお試しする価値はあるでしょう。  1個 800円
  AD8397はアナログデバイス社のヘビーロード対応型オペアンプです。負荷のドライブ能力はなんと電源電圧±1.5で負荷25ΩでもOKというスペックはほかにありません。普通は±15Vで600Ωでしか規定されていません。しかもレールtoレール、いわゆる電源電圧ぎりぎりまで出力が出せるという特徴もあわせ持っています。ヘッドフォンAMPなどにぜひ試してみたいオペアンプです。SOパッケージでしか供給されていませんので変換基板で8PINデュアルインラインにしました。
半田はアルミットというアメリカ航空宇宙局NASA認定の高信頼性のものを使用しています。
もちろん他の2回路入りのオペアンプと互換性があります。
  しかし最大電源電圧が24V(+-12V)までしかありません。電池駆動の機器ではOKですがACの機器では注意が必要です。8ピンにプラス、4ピンにマイナスのテスターの棒を当てて24V以下であればこれに置き換えられます。
変換基板付き  1個 1,200円 
 



1回路入り      
                      
 飛びぬけたスペックのものがある。 2回路入りとはピン配列が異なりますのでそのままでは置き換えできません
 またOffset Trim端子は各OPAMPで異なりますので注意が必要です
                                  
OPA604 (バーブラウン)

OPA2604の1回路版
OPA627A (バーブラウン)

孤高の存在
NE5534A (テキサスインスツルメンツ)

ベテランますます健在
 高級OP-AMPの定番、全信号系の内部回路をすべてFETで構成。電源電圧範囲±24Vとクラス最大でダイナミックレンジをひろくとれます。歪率は0.0003%、ノイズは11nV/Hzとスペックは中庸ですが音質においては他と一線を分けます。DACのローパスフィルター、プリAMPのバッファ部、ヘッドフォンAMPに使うと音に厚みが増し、濃厚ですがすっきりした味わいとなります。これが好きな人にはこれしかないといわせています。姉妹品に2回路入りのOPA2604があります。
1個 700円
 価格が他とは一桁高い高精度OPAMP。帯域スルーレート、入力オフセット電圧、セトリングタイム、などすべての項目で他をよせつけないスペックです。もちろんひずみ率や入力換算ノイズなどオーディオ特性も十分です。音は明確でメリハリがあって、あるオーディオ評論家は“ディスクリートに勝る音質はこのOPAMPしか出ない”とも言っています。入力部のみFETを使用。CDプレーヤのDACIV変換に最適、グレードが2段くらいアップします。ADCの前段やパワーAMPの前段でも真価を発揮します プロセスはNPN,PNPトランジスタがきれいに分かれる誘電体分離を使っています。マークレビンソンも使用。1回路品のみ
1個 3,000円
 発表されてから20年たちますが中級機ではいまだ多く採用されており安心して使える定番中の定番。2回路入りNE5532がありますがこの5534はさらにローノイズとなっています。AバージョンはそのノイズをさらにMAXで規定して選別されています。音は5532よりいっそう清涼感がありパワフルです。ときには癖のある場合もありますが嫌みはありません。マッキントッシュのプリアンプにも多数使われています。ゲインは3以上で使うように推奨されています(11/9追加) 1個 280円


                       
LME49710 (ナショナルセミコンダクタ)

LME49860の1回路版
AD797 (アナログデバイセス)

精密機械
LT1115  (リニアテクノロジー)

静寂のなかに
 2007年に発表された新しいOP-AMP、スペックは歪率0.00003%、ノイズ2.7nV/Hzとすばらしいです。この違いはOPAMPだけでなく周りの回路、抵抗、コンデンサ、DACや電源などもワングレード高くないと聴ききわけられないでしょう。電源電圧が±17Vまでしかないのが残念です。プロオーディオやハイゲインAMPで十分な性能を引き出せるとNS社は宣伝しています。音は見通しがよくフレッシュであり、非の付けどころのない模範的な音です。すべてバイポーラトランジスタ採用。アプリケーションノートのRIAAイコライザが面白い。姉妹品に2回路入りのLME49720や電源の幅を±22Vまで広げたLME49860があります。
在庫なし
 1回路入りしかありません。高性能高精度OPAMP0.9V/Hzの超ローノイズ、DCオフセット25uVは他に比べて約50分の1でとびぬけています。データシートは技術解説が豊富で高精度デバイスの使い方を教えてくれます。音は若干ざらっとした感じがしますが深みがあります。
1個 1,200円
 LT社はよほどこのOPAMPのローノイズ0.9V/Hzに自信があるらしくデータシートにはRIAAイコライザやマイクAMPの応用例がたくさん紹介されています。1倍(ユニティゲイン)での使用は勧めていませんので注意が必要です。電源電圧が±22Vまで対応しているのがありがたい。はっきりとした主張のある音を聴かせOPA627に勝るともおとらない音場感があります。1回路品のみ。 1個 800円


LT1028A (リニアテクノロジー)

さらなる静寂を求めて  0.85nV/√Hz
OPA827 (バーブラウン)

OPA627の妹
LME49990 (ナショナルセミコンダクタ)

打倒LT1028A, OPA627A!
 リニアテクノロジー社の誇る超低ノイズオペアンプLT1028A、Aバージョン選別品です。
1回路入りはとびぬけたものがありますが、これもかなりとんがったスペックです。特にノイズはおそらく最高のレベルで、なんと0.85V/√Hzです。これはLME49860の3分の1です。この数字は50Ωの抵抗1本分が出すノイズとおなじということで、回路全体から見ればほとんど存在しないのと同じくらいの超低ノイズであると、LT社は言っています。 ただし2倍以上のゲインでないと発振します。データシートにはさらにこれを3パラにしてもっとノイズを減らす方法も書かれています。入力オフセット電圧も入力バイアス電流も桁が違うほど小さいし、また電流電圧は±22Vまでありますのでハイゲインのアンプに最適でしょう。
 1個 1,300円
 バーブラウン社の孤高のOPAMP OPA627の後継として開発されました。OPA627はDC、ACスペックとも素晴らしい性能で、オーディオをはじめ計測器、医療機器などでここぞという箇所に使われていますが価格が高いです。このOPA827はOPA627の性能を維持しながら価格を下げるという目標のもとシリコンゲルマニウムという新プロセスを採用しています。デビューは2006年ですのでまだ新しいOPAMPですが入手は困難のようです。さて音はいかに?
パッケージがSOPしか供給されていませんので変換基板で8PIN DIPに変換しています。
変換基板付き 1個 1,800円

このOPA827の開発者と直接お話をする機会がありましたがその方はOPA627よりこっちのほうが絶対いいと力説しておられました。(6/11`11)

今までADIやLTにスペックでは後塵を拝していたNS社ですが2010年1月についに最高品を出しました。NS社のアナログICに対する熱意はすごいものがあります。ノイズは0.9nV/√Hz,歪率は0.00001%, スルーレートは+-22V, ゲインバンド幅は110MHzと明らかにLT社のLT1028Aをしのごうと意識しています。 またNS社が弱かったセトリングタイムの規定も590nsecとし、これはOPA627Aの550nsecを意識していると思われます。 データーシートのアプリケーション例もOPAMPで最も難しいとされるマイクAMPやDACのIV変換+LPFを取り上げてその自信のほどを表しています。SOPしかないのが残念ですが変換基板でそのスーパースペックの味わいを体験しましたところ、音はするどい、速い、ちょっと冷たいが奥行きがあるといった感じです。しかも安い。  
変換基板付き
1個 980円 
ブラウンドッグ基板に裏表2個搭載品は1個2,300円



番外編 








BUF634 (バーブラウン)

もっと出力を強化したい
OPA627A CAN(バーブラウン)

高信頼性、金メッキリード
OPA627A 2個 (バーブラウン)

2回路入りと互換性あり
これはOPAMPの出力を強化するバッファーICです。ヘッドフォンなどで負荷が重い時は音がひずんだり低音が出なかったりしますが、それを補強します。
 OPAMPの約10倍のドライブ能力があります。プッシュプルのエミッタフォロワーが入っておりバイアス回路も内蔵されていますので、そのままOPAMPの出力につないで、さらにBUF634のOUTからOPAMPへフィードバックがかけられます
 ワイドバンドモードにしますと、コレクタアイドル電流が増えて周波数特性が180MHz、スルーレートが2000V/usec,さらにひずみが改善されます。そのかわり相当熱くなりますのでご注意ください。
 音には艶が出ていきいきとし、ときにはなまめかしい感じです。これを複数個パラレル(スタック)に使いますと、もっとひずみが減りSNが改善されます。プリアンプの出力バッファにも最適です。形はオペアンプと同じですが互換性はありませんので置き換えはできません。
また熱の放散がよい5端子型のパッケージもあります。
  在庫なし
これは金属のCANに入ったものです、リードPINは何と金メッキ。これは軍事や人工衛星などの高信頼性と長期安定性、低温高温での動作を要求されるアプリケーション用です。OPA627Aをさらに品質を上げて過酷な環境でも使えるようにしています。中のシリコンチップはプラスティックDIPと同じですがテストが違いますのでスペックも若干異なります。また中のチップがプラスティックモールドで圧迫されていませんので音にも開放感があります。熱の発散もいいので安定した動作をします。価格が高いですがぜひ試してみたい逸品です。
1個 7,000円
OPA627Aは1回路入りしかありません。これを2回路入りのNE5532, OPA2604, OPA2134, NJM2114, RC4558などと交換するにはこのように変換基板を使います。裏表にOPA627Aが乗っておりサイズが小さいので8PIN DIPのスペースにそのまま入ります。 米国のブラウンドッグ社の変換基板を使っています。
 基板の上に小さく1と書いてあるところが1PINになります。上の写真では左上のPINが1PINです。
ブラウンドッグ基板裏表2個搭載 1個 9000円

同じブラウンドッグ基板を使いOPA827を2個搭載したものもあります 1個 4,500円  下記写真